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2014.03.04  あすなろ149 味覚のお話

2014.03号

「しょっぱい」ですか?「塩辛い」ですか?塩味がきついときの表現です。

どうも関東近辺の方は、ほぼ「しょっぱい」のようですが、私が育った愛知県では、「塩辛い」もしくは単に「からい」でした。

そういうわけで、家でも塩が強いときに思わず「からい」など言ってしまうわけですが、そういうことを言うと、カミサン(神奈川出身)に「え~?」などと反発されてしまうわけです。

ですが少々言わせていただきますと、「しょっぱい」という言葉は、日本語においてはいわゆる俗語(=話し言葉)にあたります。ですから、公式文書に使うには少々くだけすぎていますし、実際に使われません。同じ意味の言葉を使うとしたら「塩辛い」か「塩味が強い」あたりでしょうね。

そう考えると、「しょっぱい」は方言の一種だと言ってしまっても、大きく間違ってはいないと思います。逆に、「塩辛い」の方が主流の言葉なのです。わかったか。

と思って調べたら、「しょっぱい」は、やっぱり関東の方言となっていました。標準語ではないそうです。わかったか。

私としては、「からい」という言葉は本来、漠然と「味の刺激が強い」という意味だったのではないか、と考えています。関東基準でうっかり判断すると、「辛い=唐辛子・胡椒・山葵(わさび)などの味」つまり「ピリ辛」ということになるのでしょうが、それだけの解釈では、「辛口の酒」という言葉が説明できません。

この例からも、本来は、「ピリ辛」以外の意味も含む言葉だと、おわかりかと思います。同様に、炭酸が強いことも「からい」と表現できますよね。

日本語は古い言語ですので、他にもこのような言葉があります。例えば、「青」という色と表す言葉は、「緑色」という意味も含んでいますよね。これも、元々は「あお」が広い意味を持つ言葉だった名残で、「からい」と同じでしょう。

「あお」という日本語は、元来は『明るい色(白・赤)と暗い色(黒)以外の中途半端な色』を表す言葉でした。ですから、グリーンもブルーも、日本語では「あお」なのです。その後、「若い」という意味を持つ「みどり」を若葉の色に当てはめて、「緑色」という言葉ができました。

ところで、「からいの反対はあまい」と、子供の頃は考えていました。子供の皆さんは、実際にそう考えている方がほとんどでしょうし、大人の皆様も、大抵はかつてそう思っていたと思います。後に、自分で色々と調理をするようになってからは、経験的にそれは間違いだとわかってきます。しかしなぜこう考えてしまうのかというと、それもどうやら、日本語そのものに原因があるようです。

日本語では、味覚という枠を超えて「からい」という言葉を使うとき、「厳しい」という意味になります。それに対する言葉は「あまい」です。「評価・点数が辛い/甘い」といったあたりでおわかりかと思います。

決定的なのが、カレーの「甘口/辛口」という表示でしょう。これを見た子供は、疑いなく「あまいの反対はからい」と解釈するでしょうし、「塩が多い時は砂糖を足せばいい」などと思ってしまうわけです。でしょ?

でも現実には当然、味が混ざるだけで打ち消されることはありませんよね。

その理由は実に単純で、一つには、食塩(NaCl)と砂糖(ショ糖C12H22O11など)の水溶液を混ぜても、化学反応が起きないことです。混ぜても塩は塩のままなのです。

そしてもう一つは、舌がそれぞれの味を感じる時は、「塩味用の受容体」「甘味用の受容体」というように、別の部品を使っているからです。つまり、塩と砂糖が入っていれば、両方のセンサーが反応するので、両方の味を感じるわけです。片方が多いともう片方が反応しない、ということは起こりません。

人間の舌には、その他に少なくとも三種類の味を感じるセンサーがついていまして、それぞれ「苦味」「酸味」「うま味」を感じることができます。そして、そんな五種類のセンサーが一セットになった部品を味蕾(みらい)といいます。人間の舌には、約一〇〇〇〇個の味蕾がついているとのことです。

ここで、味蕾の感じる味をもう一度見てみましょう。すなわち、「塩味」「甘味」「苦味」「酸味」「うま味」の五種類です。

――「辛味(ピリ辛味)」がありません。

実は、生理学的には、辛味は「味」とはいえないものなのです。これは、味蕾とは別のセンサーによって感じられて、「痛み」として伝えられます。人間は、この刺激を他の味と混ぜることで、「辛味」と感じています。

この辛味用のセンサーは、舌以外の皮膚にもついています。唐辛子スプレーが目に入ると激痛を感じますし、皮膚に触れてもピリピリとした痛みを感じます。また、タイの激辛料理には、唇まで熱く感じるものもあります。このように、辛味は舌以外でも感じられる感覚ですので、味覚とは呼べないようです。

また、味の種類の中に「うま味」なんてものも入っています。この名前だけを見ると、「うまいかまずいかの基準」みたいな響きがあって、私も昔これを初めて聞いたときは、「またバカ科学か」と思いました。ですが本当は、そういう意味ではありません。

これは、強いて言えば「アミノ酸の味」、つまり平たく言うと「だし味」のことです。

この味に関する研究は、昔から日本がずっと最先端でした。理由はあります。

日本料理では、食材とは別に「だし」を取ることがあるために、日本人は「だしの有無で味が変わる」ということを経験的に知っていました。しかし西洋人は、味が足りないときには肉やチーズなどの、だしがよく出るものを入れてしまうので、「だしそのものの味」があるとは信じられなかったのです。

日本の研究者は、うま味の正体の追究を続けて、昆布などから「うま味の素」を取り出すことに成功します。一九〇八年のことでした。これがいわゆる「化学調味料」「アミノ酸等」で、商品名でいうところの「味の素」です。「うま味」という呼び方は、このときにつけられました。英語圏には無かった言葉ですので、今でも英語でumamiと書きます。

そして二〇〇〇年、このうま味を感じるセンサーを味蕾に発見したのも日本人です。舌に専用センサーがあるとわかったので、これ以降、うま味は味覚の一つと認めらています。

そうそう。今回調べていって発見したのですが、味覚に一番敏感なのは中学生くらいの年頃なのだそうです。ですから中学生は、今後の人生のためにも、うまかったものの味をよく覚えておくといいかと思います。

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  


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