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2014.07.05  あすなろ36 恐竜・翻訳などの「偉い人」(過去記事)

2004.10号

ここ最近、我が家はちょっとした恐竜ブームです。

以前からウチには、「恐竜本」が何冊かありました。それなりの内容の本もあったので、「ジュラシックパーク」で有名になるより十年ほど前から「恐竜温血説」を知っていました。また高校生のころには、部活で化石(サンゴ、有孔虫、ウミユリなど)を採集してクリーニング作業をすることもありました。以前からそれなりに好きだったわけです。

それに重なって今年はさらに、ウチの三歳児が「昆虫と恐竜の年頃」(男なら一度は通る道!)になってきてしまいましたので、今年の夏は、各地の恐竜展に行ってきました。昆虫展にもいくつか行ってきました。親子で趣味爆発の夏でした。

・この夏に行った所

愛知県豊橋市自然史博物館/恐竜特別展

岐阜県名和昆虫博物館/世界の昆虫展

豊橋丸栄(デパート)/恐竜と昆虫展

茨城県立自然博物館/恐竜特別展

幕張メッセ/大恐竜博

※豊橋は、盆に帰る実家の近くなので

豊橋の書店ではまた恐竜本を一冊買い、幕張メッセでは恐竜特集の科学雑誌を二冊買って来ました。さらに、恐竜の生理について考察する参考文献として、鳥の呼吸システムが解説されている本を探して買いました。これだけ冊数があると、さすがにまだ全部読み切れていません。アホです。

ところで、恐竜本と云えば、ヒサクニヒコ氏と云う有名な恐竜研究家がいます。この方のポイントは、あくまでも「研究家」であって、「学者」じゃないところ。持論の主張ってのがないので、各論を公平に紹介しているところがとてもいいです。

この方の本では、例えば恐竜の名前でも「基本は学名(の、属名)のラテン語読みだが、慣例で別の読み方が通称になっている場合は通称にする」としています。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、動植物の学名は、ラテン語で命名されることが決まっています。例えば、人間の「ホモ・サピエンス」もラテン語です。ラテン語である以上、本来は当然ラテン語読みすべきなのですが、最近ではこれを英語読みするケースも増えています。

さて、ヒサクニヒコ氏は、著書の中でこう書いています。

─ティラノサウルスはTyrannosaurusと表記されるが、日本にはティラノサウルス派とティラノサウスル派があり、なかなかうまくいかない。もともとティラノサウルスが日本語として定着していたのだが、ティランノサウルスの方が表記や英語の発音に近いといちゃもんをつけられたりした結果だ─

その時は、ティランノなんて呼び方、聞いたことないなあなんて思っていました。ところが、幕張の恐竜博に行ったときにカミサンが云いました。「ここはティランノ派だね」

うを! 本当だ! 

館内に見られる解説文も、映像の解説の音声も、すべてティランノサウルスです。こういうものは、気になり始めると気になってしょうがなくなります。どんな偉い先生様が監修した結果なのかしりませんが、私の一番嫌いなタイプの研究者ですね。

その割には、始祖鳥のことを「アーケオプテリクス」と書いてあったりしています。始祖鳥はArchaeopteryxなので、ラテン語読みするならアルカエオプテリクスなのですが。一体どういうこだわりなのでしょうか。監修された先生様に聞いてみたいものです。

ところで、アルファベット文化の翻訳と云えば、ひとつどうしても気になっている表現があります。例えばこんな文。

メキシコシティは、世界で最も人口密度の高い都市の一つです。

最近、マスコミがよく使う表現です。別に慣れちゃったら違和感がないかもしれませんね。でも、こうならどうでしょう。

 霞ヶ浦は、日本で最も広い湖の一つです。

 筑波山は、日本で最も有名な山の一つです。

やっぱ変ですよね。変ですから。

これは、英語のone of the bestの直訳から来ているみたいです。これを学校で、「最も~なものの一つ」と教えちゃっているからでしょう。そういう教育を受けた世代が、社会を動かす中心になってきたので、どうやらマスコミでは、これが普通の表現として受け取られているようです。

しかしもちろん、これは日本語として間違っています。辞書をひいてみればすぐにわかります。

日本語で「最も」とは、一番と云う意味が必ず入っています。一番とは、順に並べたときに最初に来るという意味です。全く同数値のものが無い限り、原則としてただ一つのものを指します。当然、「ただ一つのものの中の一つ」、という表現はあり得ません。「最も~の一つ」とは、本来日本語としてあるべきでない表現であることがわかりましたか。

では実際はどうなのか。こういう時には、英英辞典を使ってみます。英英辞典とは、英単語を英語で解説した辞典=英語版国語辞典のことです。で、引いてみるとbestの解説中に、firstonlyoneなどと云った言葉は見あたりません。つまり、英語のbestの意味は、日本語の「最も」には相当しないということになります。

より正確な訳としては、強いてあげれば、「特に」や「秀でて」が近いってところでしょうか。「最上級」でもいいかもしれません。前述の霞ヶ浦も、「最大級の湖」とするなら日本語としてギリギリ許される......でしょうかねえ。

このあたりは、元来順位をつけるのが好きな日本人と、細かい上下にこだわらない西洋人の、嗜好の差だから仕方がないのです。兄と弟を基本的にひとまとめでbrotherとするところからもわかると思います。

文句をつけるべきは、マスコミのバカさ加減なのか、学校教育のあり方なのか、その裏側にいる、bestを「最も」と教えることに決めた、偉い先生様なのか。あーやだやだ。

昆虫分類の世界でも、偉い先生様の余計なお世話のために、十年ほどまえ、それまで漢字表記だった「目(もく)」の分類名を、かたかなの新名に改められてしまいました。おかげ様で、蚊は「双翅目」から「ハエ目」に、蛾は「鱗翅目」から「チョウ目」、コオロギは「直翅目」から「バッタ目」となってしまっています。バカくさ。

研究職に進むつもりの人、がんばってね~。こういう人達とつきあうことになるので。

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  



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