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2014.09.12  あすなろ154 特定外来生物

2014.08号

 

先日、小学生五年生には授業の中で少しお話したのですが、今後はおそらく、学校でカエルの解剖をすることはまずないでしょう。

今更こんな事を言わなくても、私の小中学生時代にはすでにそんな授業はなかったのですが、今回こう宣言するのは、指導要領から削除されたから、というような問題ではありません。

指導要領の問題だけなら、過去に削除された内容が復活することもあります。八八年か八九年のこと、共通一次試験の生物において、ここ十年以上教科書に掲載されていなかった実験の手順を答えさせる問題が出題されたために、生物の平均点だけが異様に下がって、大混乱を引き起こしたことがありました。そしてその後改訂された教科書には、一斉にその実験の手順が載るようになりましたとさ。バカです。

バカはともかく、この手の解剖実験に使うのは、ウシガエルという大型のカエルです。ところが現在は、このカエルを生きたまま購入することが、大変困難なのです。

その理由は、ウシガエルが「特定外来生物」だからです。

これに関する法律は二〇〇六年から施行されているのですが、それによると、指定された動植物は、飼育と生きたままの輸送が禁じられています。研究目的ならば許可が下りるのですが、そのためには、飼育施設の図示、飼育場所の図示、その他必要書類を揃えて申請する必要があります。普通の小中学校では、多分そこまではしないでしょうね。

また、この法施行に伴って、ウシガエルを飼育する業者自体が激減しましたので、そういう意味でも手に入りにくくなりました。

そんなわけですので、野生のウシガエルを捕まえたしても、その場で殺さないとだめで、それでは実験に使えません。ならばその代わりに別のカエルを、と言っても、なかなかいい代役がいません。

比較的よく捕れるカエルに、ダルマガエル類、アカガエル類あたりがあります。私も二度ほど解剖したことがありますが、単なる内蔵観察ならともかく、神経実験に使うには少々小さすぎるんですよね。また、ヒキガエル類は大きさに申し分がないのですが、耳下腺から毒を出すので、あまり小中学生向けではないと思われます。

といったあたりが、カエルの解剖終了と考えている根拠です。

そんなわけで、ウシガエルを実験動物としてみると外来種指定には困ったものなのですが、虫オタ的にはいなくなって欲しい種類であったりします。というのも、ウシガエルってやつはめちゃくちゃな大食いで、昆虫類や小型のカエルなどを大量に食いまくってくれちゃうからです。

同じような外来種として、もっと有名なのにブラックバスという魚もいます。というよりそもそも、今回あげた外来生物法とは、ブラックバスをあちこちに放流して回るバカをしょっ引くために作った法律なのです。

このブラックバスというのが本当に困ったやつで、こいつを放り込まれた場所はあらゆる動物を根こそぎ食い尽くされて、死の池と化します。ではなんでそんなことをするやつがいるかというと、釣りをしたいだけなのですよ。ブラックバスの拡散には、釣具メーカーや釣具屋が暗躍したとも言われています。しかしそのためにある種のトンボが絶滅した池もあって、マジで勘弁して欲しいです。

実は外来種じゃなくても、同様のことが起こることがあります。筑波山系の登山道の途中にある、とある名も無い池は、この近辺では貴重なミズスマシの生息地でした。しかしあるとき行ってみると、そこには真っ赤な金魚ちゃんがこんにちは。ミズスマシ?そんなものは影も形もありません。きっと幼虫が全部食われてしまったのでしょう。こうやって自然はジワジワと侵されていくわけです。

特定外来生物には、ブラックバスのような遊び目的やイグアナ類のようなペットの野生化といったものも多いのですが、当初は真剣に役に立つつもりで輸入した、という生物も多数有ります。

コブラの天敵であるマングースという動物がいます。沖縄では、ハブの被害をなんとか減らそうと考えて、マングースを輸入して放しました。しかしマングースは、ハブよりも簡単に捕まえられる動物を食べ荒らしていって、ついには天然記念物のヤンバルクイナやアマミノクロウサギに危機が迫る事態になっています。現在は、大規模なマングース駆除活動が続いているそうです。野生動物は、なかなか意図したようには動きません。

被害を及ぼすのは肉食動物ばかりではありません。例えば、小笠原諸島のヤギ。

幕末の、小笠原諸島がまだ無人だった頃、西洋人がヤギを連れて入植したことがありました。その後、野生化したヤギは増え続けて、植生を食い尽くし始めます。聟島では一時期、島から一切の緑が消え去り、土壌が海に流出して、近海の珊瑚礁まで環境崩壊が始まるという状態にまで陥っていました。

聟島は、今ではヤギを根絶させることに成功しました。しかし現在でもヤギによる植生崩壊進行中の島が、まだまだあります。(八丈島・馬渡島・五島列島・宇治群島・屋久島・トカラ列島・奄美大島・徳之島・沖縄諸島・西表島・魚釣島)

ところが、そのように明らかな被害が広がっても、哺乳類や鳥類の場合は、駆除が進まないことがあります。それは、いわゆる動物保護団体(笑)が、カワイソだのカワウソだのギャーギャー騒ぎ出すからです。進まない典型例は、シカやサルあたりでしょうか。

ニホンジカは、増えすぎて食害が出ている地域があります。というと、「人間が住処を奪ったから」ですか、はいはいそうですね。でもそれ以上に、天敵がいなくなったからとも言えます。つまり、オオカミを絶滅させてはいけなかったということです。それに関しては明治の頃、西洋人にだまされちゃった日本人が悪いのは確かなのですが、今となっては駆除をしないと緑が危ない状態なのです。

ニホンザルと雑種を作り始めたタイワンザルとアカゲザルは、本当に急いで大規模駆除をしないと、純血ニホンザルの存続の危機なのですが、うるさい人たちのせいで、「苦痛なく殺す」という面倒くさいことをさせられています。「動物に罪はない」ですかそうですか。罪とか罰とかの話じゃないのですが。

数年前、桜川か小貝川かの河川敷で、朝鮮半島由来のホソオチョウが大発生したことがありました。この蝶は長距離飛翔をしないので偶然飛んでくることは無く、あきらかに人為的な放蝶です。実は近年、日本各地で同様の発生が起こっています。どこの連中の仕業か、昆虫関係者にはすでに有名な話なのですが、本当に迷惑な人たちがいるものです。

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