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2014.09.13  あすなろ119 エアコン(過去記事)

2011.09号

七~八年前のこと、友達が、子供を連れて私の家に遊びに来ました。

確かあれは、夏の日のことでした。我が家に入って最初に、友達の娘(五歳くらい)が

「えあこんをつけてください」

と言ったので、

「えあこんはありません。ごめんね」

と答えたところ、固まってしまいました。

あれは本当に、見事な「二の句が継げない」状態でした。とても面白かったです。

そんなわけで、相変わらずエアコン無しの家に住んでいる朝倉ですが、塾ではガンガン使っています。塾は自宅と違って「都会」ですので、窓を開けると排気ガスのにおいが入ってきますからね。

ウチと違って都会暮らしの皆様のことですから、今年の夏もエアコン様にお世話になったことでしょう。

エアコンは、中学社会の歴史では「3C」の一つ「クーラー」であると習うはずですが、クーラーとエアコンは、厳密にはちょっと違います。冷房機能しかついていないのがクーラーで、冷暖房がついているのがエアコンです。ただし、エアコンの暖房機能は、冷房機能を「逆」に使っているだけですので、根本的な理論は変わりません。また、冷蔵庫も原則は同じです。

その理屈は、中学校の理科+αのレベルで理解できるものです。そんな話をしましょう。

ただし、その原理を理解する為に、必要な知識がいくつかありますので、予習しておきましょう。

基礎知識その1。

ものの温度は、そのものが持つ熱の量で決まります。熱をたくさん持っていると温度が上がり、熱の量が減ると温度が下がります。......こう書くと当たり前のことのようですが、ポイントは、冷たいものにも熱は含まれているという点です。冷たいものは、持っている熱が少ないだけで、熱がない、というわけではないのです。

基礎知識その2

気体を圧縮すると、温度が上がります。逆に膨張させると、温度は下がります。しかしそのとき、例えば1リットルの空気を圧縮して温度を上げても、また元の1リットルの大きさに戻すと、理論上は元の温度に戻ります。(エネルギー保存の法則です)

基礎知識その3

気体と液体では、同じ温度でも、持っている熱の量が全く違います。気体の方が液体よりも多くの熱を持っていますので、液体を気体にする為には、多くの熱が必要となります。逆に、気体を液体にすると、熱が余ります。余った熱は、周りに放出されます。

基礎知識その4

気体を圧縮していくと、最後は液体になります。逆に、液体を無理矢理膨張させると、気体になってしまいます。

以上4つの知識を得たところで、冷たくする理屈の説明を始めます。

まずここに、冷媒と呼ばれる気体があります。これにぎゅうっと圧力をかけて、液体にしてみましょう。すると、余った熱が出てきて、熱い液体が出来ます。

この熱い液体から圧力を抜いただけでは、また最初と同じ温度の気体になります。持っている熱の量が、最初と同じだからです。

しかし、この熱い液体に外から風を当てて、冷ましてしまいます。すると、持っていた熱が風に持って行かれて、熱の量が最初よりも少なくなってしまいます。

そうやって冷ました液体を、今度は無理矢理膨張させて、気体にします。すると今度は、さっき熱を奪われた分だけ熱が足りなくなるので、最初に比べて熱の不足した状態になります。つまり、温度の低い気体となります。

これに風を当てると、こんどは当たった風の熱が奪われて、風が冷たくなります。もちろん、温度の下がった気体(冷媒)は、まわりから奪った熱で温度が上がります。

ここで、以上の流れを、冷媒の動きから、

     気体の冷媒に圧力をかけて液体にする

     熱くなった液体の冷媒に風を当てて熱を放出する(冷ます)

     液体の冷媒を膨張させて気体にする

     気体の冷媒に風を当てて熱を取り込み、温度を上げる(周りを冷やす)

と、四つの行程に分類しましょう。

エアコンの場合、①の気体を圧縮する場所は、室外機の中にあります。室外機というのはですね、エアコンが動くと、家の外でうおーんってプロペラが回っている所がありますよね。それです。それの中に、気体を圧縮するコンプレッサが入っていて、気体を液体に変えます。

そして、そのうおーんのプロペラで、②の行程をします。つまり外のプロペラは、圧縮して熱くなった液体を冷ましていたのです。

冷めた液体は、パイプを通って室内の送風機(エアコン本体)へと流れてきます。そしてその本体の中で、③の膨張を行います。具体的には、液体をブーっと吹き付けて、霧の状態にしながら広げるみたいですね。もちろんこれは、機械の中での話です。

そうすると膨張させられた気体はすんごく冷えていますので、それに室内の風を当てると冷たい空気が出る、というわけです。これが④です。

このあと、気体となった冷媒は、パイプを通って室外機に行って、また圧縮されることになります。

ここで念のために書くと、室内外を移動しているのは液体や気体になった冷媒だけであって、空気は移動していません。

熱の移動という点から見ると、④で室内の熱を取り込んだ冷媒は、室外機の②で、外の空気に熱を奪われていきます。つまり、室内の熱を屋外に運び出しているのが、冷房の仕組みなのです。

エアコンを暖房に切り替えた時には、これと逆の流れを作ります。

つまり、室外機のプロペラで④をおこない、室内の本体の送風で②をおこないます。こうすることで今度は、屋外から集めた熱を、室内に取り込むことができます。寒い冬の屋外から熱を集めるとは変な気がしますが、基礎知識その1、冷たいものにも熱は含まれています。外は寒くても、熱が入っているのです。

エアコンの暖房は結局、熱を運搬しているだけですので、電力を直接熱に変えているわけではありません。ですから、電気のファンヒーターよりも、電力効率は良くなります。

ところで冷蔵庫も、エアコンと同じ仕組みで冷やしています。ですから冷蔵庫を開けておいても、室内は全く涼しくなりません。

さて何故でしょう?説明できますか?

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  



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