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2014.12.05  あすなろ135 彗星(過去記事)

2013.01号

天文年鑑などによると、来年(二〇一三年)は彗星の当たり年なのだそうです。

っていう話をしていたら、彗星って何?と質問をする中学三年生が......

確かに、彗星のことは、学校の理科ではちゃんとは習いませんよね。ここで説明いたします。

彗星というのは旧海軍の艦攻の名前です。ん?艦爆だったかな?まあともかく、コンパクトな機体に液冷エンジンの組み合わせで、超萌えるルックスをしています。ちょうど、スピットファイアみたいな感じでしょうか。いや、スピッツみたいなダサい主翼じゃないから全然違いますね。でも後の型になってくると、三二型からかな?発動機の生産が間に合わなくなってきて、星形空冷エンジンになっちゃうんですよね。液冷エンジンは、壊れるだのなんだの言われることもありますが、実際は、現場の整備兵が空冷慣れしていたために、整備が不十分だったなんてこともあったみたいですね。彗星といえば、単機で空母を一隻沈めたという、伝説のレイテ沖の話は欠かせませんね。

彗星は、太陽系の中にある星の一つです。ほうき星とも呼ばれて、長く尾を引く姿を見せるのが特徴です。

そもそも太陽系とは何かというと、太陽という星と、太陽を中心として回っている物体のあつまりを合わせたものです。ですから、金星、土星、地球などの惑星以外でも、太陽の周りを回っているのはみんな太陽系の一部です。惑星よりも小さい岩も、すごい数の物体が、太陽を中心として回っています。

今、太陽を「中心」とすると書きました。確かに惑星は、太陽を中心とする円を描いているように見えます。しかし、厳密には、惑星の軌道は真円ではなく、楕円となっています。(→ケプラーの第一法則)

楕円というのは、焦点と呼ばれる「中心」を二つ持つ図形です。高校で、理系に言ったら数学Cで習うことになると思いますが、次に示すような図形です。そして惑星は、楕円の焦点の片方を太陽とした軌道を描いています。地球の周りを回る月も、同様に楕円軌道です。

楕円.png
楕円2.png

地球も太陽の周りを楕円で回っていますので、太陽と地球との距離は、一定ではありません。ですが、その焦点が近いので、円のように見えるだけなのです。

また、焦点の距離は、惑星によって違っています。地球は焦点の距離が短い=離心率が低いので、比較的真円に近いのですが、離心率が非常に高くて、太陽じゃない方の焦点が遙か彼方にある天体もあります。周回している彗星は、そんな天体の一つです。

軌道1.png
軌道2.png

と、そこまで書いておいてアレですが、本当は右上図のように、楕円以外の軌道を描く彗星もあります。というより、大抵の彗星は、楕円以外の軌道を描いています。そしてそういう彗星は、二度と帰ってきません。楕円軌道で帰ってくる彗星を周期彗星、帰ってこないのを非周期彗星と呼びます。

彗星の正体は、よく「汚れた雪玉」とか「凍った泥団子」などと言われる通り、塵と氷でできています。それが太陽に近づくと、太陽の熱で解凍された液体や気体が噴き出してきます。それが太陽熱にあおられて、太陽と反対側へ流されていきます。それが、彗星の尾です。ですから、彗星の尾は必ず、太陽と反対方向に伸びます。(前ページ図参照)

そういうわけで、彗星はいろいろな粒をまき散らしながら通過していきます。ですから、その通った跡には、沢山の塵が、彗星と同じ軌道を、帯のように漂っています。

その帯に地球がつっこむと、地球にはその塵が降ってくることになります。降ってきた塵は、大気圏に突入する際に輝きながら燃え尽きて、流れ星となって見えます。こうやって、たくさんの流れ星が見える現象を、流星群と呼びます。

毎年お盆のころに見られるペルセウス座流星群は、二〇一三年月の条件が良いようです。うまくいけば一時間に五〇以上の流れ星が見られるでしょう。

で、二〇一三年の彗星の件ですが。話題になっているのは、主に二つです。

一つは、三月~五月ごろに近づくパンスターズ彗星です。これは、うまくいけば三月半ばごろの日没直後の地平線付近に、マイナス3等級の明るさで見られるでしょう。それを過ぎてからでも、四月上旬まで肉眼で十分見える明るさを保つようです。

星は、明るい順に1等星、2等星......と分類されています。例えば、オリオン座のワクを構成する四つの星のうち、左上と右下が1等星で、右上と左下は2等星です。それを基準に数値化していくと、明るい星はマイナスの等級となります。次の表と比べて頂けるとわかりますが、マイナス3等級なら、かなり明るく見えることだと思います。

星の光度

北極星    2.02

ベガ       0.03

シリウス   1.46 (一番明るい星)

金星       4.0~-4.7

新月       5

半月       10

満月       13

太陽       26.7

もう一つは、十一月ごろに近づくISON(アイソン)彗星です。こちらは明け方の空の、やはり地平線付近で見られるとされていますが、最大光度でマイナス13.5という予測が出ています。

満月より明るい彗星!

さあ、すごいことになってきました。

ただ、注意点があります。一つには、このころは、地平線付近という高度と、ちょうど夜明けごろという時間帯のために、あまりよく見えないだろう、ということです。

もう一つは、予測はあくまで予測であって、どの程度明るくなるかはその時になってみないとわからない、ということです。特に今回の彗星は、太陽に非常に接近する為に、そのまま蒸発したり分解したりする可能性もあります。こうなったら、日本では観測できない状態になってしまいます。

過去にも、大彗星になると予測されたコホーテク彗星が、実際には3等級程度までしかいかなかった、ということもありました。非周期天体の予測は、まだ難しいようです。

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  






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