茨城県下妻市の学塾ヴィッセンブルクは少人数制で質の高い授業で上を目指す学習塾です。

コース紹介

トップページ

学塾ヴィッセンブルクについて

外観写真

住所
〒304-0067
茨城県下妻市下妻乙1277-6
電話・FAX
0296-43-2615
アクセス

お問い合わせ

  • 生徒募集中!!

2015.08.07  あすなろ60 冥王星(過去記事)

2006.10号

冥王星ですよ冥王星。
「太陽系の惑星」では無くなるんですって。

惑星占いで商売している人たちは、きっと大慌てでしょうね。
ワハハハザマミロ。

実をいうと、冥王星が惑星として認められるかどうか、という議論は、
しばらく前からあったことでした。
冥王星は、惑星としては何かと独特の個性を持っていますからね。

まず、軌道が普通と違いますね。
他の惑星が、全て同一平面上にあるのに対して、冥王星の軌道平面は
17度傾いています。
また、他の惑星がほぼ同心円状の軌道を持つのに対して、
冥王星はもっとゆがんだ楕円を描き、あまつさえ天王星よりも
内側を通過することもある、という状態です。

と、ここまではよく知られた「特徴」です。
しかしこれ以外にも、色々な面で特殊な存在なんですよこの星は。

太陽系の惑星は、皆それぞれの特徴を持っていますが、共通点も持っています。

たとえば、地球と火星はよく似た星だと言われます。
共に金属で構成された核とマントルを持ち、
ケイ酸塩からなる堅い地殻(表層)を持っています。
この類似点は水星、金星にも見られるため、
ここまでの星は「地球型惑星」と分類されています。

これに対して、木星、土星、天王星、海王星の四つは、
地球のような堅い「地面」を持ちません。

木星と土星の表面は、遙か深いところまで液体水素ガスに覆われていて、
その表面を大気が包んでいます。
天王星と海王星は氷のマントルを持ち、それをものすごい厚さのガスが覆っています。
また、表層の大気は、すさまじい強風となって吹き荒れています。
以上のような共通項により、この四つの惑星は、「木星型惑星」と分類されています。

一方冥王星は、岩石の核を厚い氷が覆ったもので、中層部のマントルを持ちません。
要するに、氷がくっついた岩なんですよあれは。
といった点から、地球型とも木星型とも言えない存在なのです。

と書くと、冥王星なんか最初から惑星にしなければ良かったのに、
と思うかも知れませんが、発見当初はそこまでわかっていなかったので、
仕方がなかったのです。
最初は地球型惑星で、大きさも地球と同じくらいだと思われていました。
後に、詳細がわかってくるにつれ、矛盾が見つかってしまっただけのことなのです。

冥王星の発見は、海王星の発見がきっかけになりました。
海王星を発見したフランス人天文学者ルベリエが、
この星の動きに影響を与えている未知の天体がある、と予言したのです。
後にそれはルベリエの見当違いであることがわかったのですが、
その言葉を信じて、星空をしらみつぶしに探し続けたアメリカ人のトンボーが、
気力で見つけ出したのが冥王星なのです。

このトンボーは、天文学者ではありませんでしたので、
自分の計算によって位置を予測するということをしませんでした。
ただひたすら、星空の写真を撮りまくり、
星図上を動いている天体を探し続けたのです。
何か見つけたら軌道計算をし、惑星かどうか見極める、ということを
一年間繰り返し、ついに発見したのは1930年のことでした。

ところで、冥王星の発見よりも130年ほどまえの1801年、セレスという星が、
新惑星として発見されています。
しかしその後、同じ軌道上から別の天体が次々と見つかります。
その結果、

「セレスは、多数存在する小惑星の一つに過ぎない」

ということとなり、惑星とは認められない存在となりました。

それに対して、冥王星の場合は、同じ軌道上に小惑星が見つからなかった為に、
惑星として認めることとなった節があります。
軌道などから疑問視する声があったものの、
「セレスとは違う」というのが一番の理由となったと思われます。

というわけで、

「冥王星と同じ軌道上に他の天体が無い」

というのが、冥王星の惑星たる理由となっていました。
しかし1992年、冥王星よりも外側に軌道を持つ小天体が見つかって以来、
冥王星に似た軌道を持つ天体が次々と見つかってきます。
1999年には、冥王星を小惑星の一つとして数えるのが妥当なのではないか、
という案も出ています。
しかし、小惑星としては冥王星は大きすぎる、というような理由により、
結局どう扱えば適切なのか、という結論は出ませんでした。

それ以来、天文学的には

「惑星とは考えられないが、小惑星とも言い切れない」

という中途半端な見解が続くこととなります。
見つかった小惑星に、セレスを越える大きさのものが無かった、ということもあります。

しかし2000年、セレスに匹敵する大きさの小惑星が、
冥王星の軌道付近で見つかります。
そして2002年にはセレスよりも大きいクワオアーが、
2003年にはさらに大きいセドナが発見され、そして遂に2005年には、
冥王星よりも大きい「小惑星」であるエリス(2003 UB313)が見つかってしまいます。

さて、ここで一度おさらいしてみます。

冥王星が惑星だった理由は、

「セレスのような、同じ軌道に他の小惑星を持つものではない」

であり、小惑星ではない理由としては、「小惑星としては大きすぎる」でした。

しかし、同じような軌道を持つ小惑星が見つかった上に、
冥王星よりも大きい小惑星が登場してしまうと、
冥王星を惑星扱いすることは、学術的に矛盾をはらんでしまうこととなるのです。
これが、先日の決議を必要とした直接的きっかけとなりました。

結果として冥王星、セレス、エリスの三つには、
新呼称「dwarf planet(日本名未定)」が与えられ、
惑星でも小惑星でもないものとして扱われることとなりました。
しかしまだ、小惑星とdwarf planetとの境目は、明確には決まっていません。
今後の定義づけ次第では、dwarf planetが増える可能性もあるでしょう。
現時点もすでに、あと12個の候補が挙がっていて、審査待ちの状態のようです。

今や、小惑星と一口に言っても様々なものが見つかっています。
衛星を持つ小惑星だっていくつもあります。
セドナのように、一周が10500年かかるような、広大な公転軌道(冥王星は248年)を
持つものもあれば、馬蹄形の軌道(普通は楕円軌道)を持つものだってあります。
これらの分類は、今後の課題となるでしょう。

さて、冥王星の疑惑が本格的に登場したのは1999年。
対して、惑星占いが流行したのはその後のことのはずです。
占いでいい加減なことを吹聴している連中は、要するにその程度の奴らってことですよ。
ギャハハハハ。

さあ、今日も占いを見て頑張ろう!

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  



2017.10追記

「dwarf planet」には現在、「準惑星」という和名が与えられています。
2008年には、以下の5つの天体が準惑星とされました。

 冥王星
 エリス
 ケレス
 マケマケ
 ハウメア

ただし、以後も準惑星に分類される天体は増える可能性があります。



関連記事......あすなろ77 星占い(笑)


一覧に戻る

ページの先頭へ