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2015.09.30  あすなろ144 年間の気候(過去記事)

2013.10号

夏休みが終わったと思ったら、ぐんぐん涼しくなってきましたね。良い感じで秋めいてきました。

夏が来るときも、夏が去るときも、突然暑くなったり寒くなったりして、「すわ異常気象だ」という方もいらっしゃるのですが、気候というのは本来こんなもんです。

天気予報ではよく「平年並み」という言葉が使われますが、平年という年はありません。ですから、いわば「毎年どこかが異常気象」なので、心配はいりません。(気象予報士の資格を持つ友人も、この言葉には同意してくれました)

温暖化も、ある意味では同じようなものです。確かに、南方系昆虫の生息域が北上している例は相当多いのですが、その一方で、ここ数年は春の気温が低いために、春先の昆虫の成長が遅れがちという事実もあります。

そう考えると、暑くなっているのか寒くなっているのか、どちらとも言えない面があるような気がしてます。

      先日亡くなってしまいましたが、下妻市内にオオムラサキの繁殖で有名な石倉さんという方がいらっしゃいました。あの方の記録を見れば、孵化の時期がここ数年遅くなっていたことがわかるはずです。

それはともかく、先に述べた暑くなったり寒くなったりの話です。

おおざっぱにですが、夏から冬へ、どのように気候が変わっていくかを紹介します。

144.png

これは、気団という空気の塊の概念図です。南から来る空気は暑く、北から来る空気は冷たい、ということに加えて、陸地から来る空気は乾いていて、海の上から来る空気は湿っているというのがおおよその特徴です。

日本は夏の間、小笠原気団(小笠原暖気団)に覆われています。これは南の海から来る空気ですので、気温はもちろん、湿度が高くなります。逆に冬になると、シベリア気団(シベリア寒気団)に覆われますので、寒くて乾燥した気候になります。これが、日本の夏と冬の特徴となります。

日本にいると、夏は湿度が高くて当たり前のような気がしてしまうのですが、ヨーロッパでは夏が乾燥していて冬が湿っています。だから連中の家は石造りでもカビが生えないわけですが、それはいいとして。

春と秋では、この勢力の交替が起こります。

八月も過ぎて太陽の高さが下がってきて、北半球の地面を暖める力が弱まってきますと、小笠原気団が徐々に南の方へと後退していきます。すると小笠原気団を押し返すように、オホーツク海気団が張り出してきます。

この二つの気団は、しばらくの間、日本の上で押し合いとなります。湿った空気同士がぶつかるので、雨が降ります。しかも押し合ったままでしばらく膠着するので、勝負が付くまで天気は変わりません。これが秋の長雨・秋雨です。

この押し合いも、両方の力が拮抗している間は、日によってあっちが優勢だったりこっちが優勢だったりします。すると、たまたまオホーツク海気団が優勢になった日は、急激に気温が下がります。しかしまた小笠原が押し勝って来ると、また気温が上がります。またオホーツク海気団が押し込んで来ると、また気温が下がります。

そんな繰り返しですので、九月は気温が上がったり下がったりするのです。

オホーツク海気団は、実は夏の間も、隙(すき)さえあれば南に出てこようと、ずっと様子をうかがっています。大抵は小笠原気団に押さえ込まれているのですが、稀に小笠原気団が油断したときに、にょろっと東北あたりまで延びてくることがあります。そんな時には、東北や北海道では、オホーツク海からやってきた寒い風が吹き始めます。

これが「やませ」です。冷害の原因だという、小学校で習うアレです。

というわけで、そんな押し問答がしばらく続くと、小笠原気団はそのうちにあきらめて、南へと帰っていってしまいます。するとそのとき、その二つの勢力の間に、つるりと横から入り込んでくるのが揚子江気団です。

揚子江気団は、オホーツク海気団と小笠原気団の間に、横にぬるーんと長く伸びてきます。その上を、西から東へと、小さめの高気圧と低気圧が、交互に行進を始めます。大陸でぽこぽこ生まれた高気圧、低気圧、高気圧、低気圧、が次々と東へ流れていくその下では、晴れたり雨が降ったり晴れたり降ったりを何日かおきで繰り返すことになってしまうわけです。これが、十月から十一月ごろまでの天気です。

そうやって揚子江気団がいい気になっていると、それまで北の方で黙っていたシベリア気団というラスボスが、じわじわと日本を覆いだしてきます。これが真冬の寒気です。

つまり、秋の天気と一口にいっても、秋雨の時期と晴れ雨交互の時期と、二段階あるということです。

冬から夏に向けては、この逆が起こります。

二月が過ぎて、シベリア気団が北の巣に帰り始めると、まず揚子江気団がいい気になり始めて、高気圧低気圧高抵高低を始めます。

しかしそのうちに、オホーツク海気団と小笠原気団の暑苦しい押し合いが始まって、揚子江気団は隙間に入れなくなります。オホーツク海気団と小笠原気団がぶつかっている現場は雨が降るわけですが、押し合い当初はなかなか勝負が付かないために、しばらくは雨が続くことになってしまいます。これがいわゆる梅雨です。

梅雨の時期も秋雨同様、二つの勢力が一進一退となりますので、暑くなったり寒くなったりを繰り返します。

しかし、最初こそがんばっているオホーツク海気団も、今度は徐々に力をつけてくる小笠原気団に押し返されていきます。それと同時に梅雨前線は北上して、最終的には小笠原気団が日本上空を制覇して、暑くて湿った日本の夏となるわけです。

こうやって書くと、けっこう単純でしょ?

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  



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