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2016.03.02  あすなろ106 海上自衛隊(過去記事)

2010.08号

まずは、こちらのホームページをご覧下さい。


106-1.png

見ての通り、お料理レシピのページです。今回は味噌焼鳥丼です。毎週金曜日に更新しているようです。

では、これはどこのサイトでしょうか。

ヒント一。官公庁です。

ヒント二。レシピは四つのカテゴリーに分けられていて、和食、洋食、中華、カレーがあります。

ヒント三。海に関係があります。


106-2.png

ヒント四。ここに挙げた回の提供部隊は、護衛艦「いかずち」だそうです。

答えは......海上自衛隊でした。

海上自衛隊は、陸上自衛隊、航空自衛隊と共に戦後できた組織ですが、他の二つと違って、旧日本軍の伝統を色濃く受け継いでいる組織です。

伝統というのは、用語、号令、日課などが旧海軍と同じであるところから始まって、その気風、気質も受け継がれていると言われています。さらに、イベントの時には軍艦行進曲(いわゆる軍艦マーチ)が演奏されますし、船尾に挙げる自衛艦旗は、海軍の軍艦旗であった旭日旗(きょくじつき)がそのまま使われています。

ちなみに、いわゆる日の丸は日章旗と言われています。有名な国旗には星条旗、三色旗、ユニオンフラッグ、太極旗などと名前が付いていることが多いですから、名称は知っておいてもいいと思います。

そして、週末にカレーを食べる習慣も、日本海軍から受け継がれて現在に至ります。かつては土曜日だったのが一日ずれていますが、海上自衛隊全ての部署では、毎週金曜日はカレーと決まっています。

カレーと海軍の関係は、横須賀に行くと「海軍カレー」として売り出されていますから、ご存じかもしれません。現在我々が目にする、いわゆる「カレーライス」は、元々は海軍の艦上食として開発されたものでした。

イギリス軍の艦上食としてあった「牛乳の代わりに香辛料を入れたシチュー」を参考に、揺れる船の上でもこぼれないようにとろみがつけられ、ご飯に合わせた味付けをされた料理が「ライスカレー」なのです。

それが戦後、帰国した復員兵(戦争をやめて帰ってきた元兵士)によって家庭に持ち帰られたので、今や国民食と言われるほどに広まったのです。

同じく、肉じゃがも海軍由来です。

日本海海戦の司令官として有名な東郷平八郎が、留学先で食べたビーフシチューを、やはり艦上食として作らせようとしました。しかし命じられた料理長はそんな料理は聞いたことがありません。仕方がないので、厨房にあった調味料と食材で、こんなもんかな、と作ったのが肉じゃがの始まり、と言われています。

これも、本格的に日本全国に広まったのはカレーと同じく戦後で、やはり復員兵が持ち帰ったようです。

唐揚げの衣を片栗粉にする竜田揚げも、艦上食であるという説もあります。

というように、海上自衛隊の料理自慢も、やはり海軍からの伝統です。中でもカレーは、各部隊や艦艇で独自の隠し味があるそうで、ウィキペディアによると「赤ワイン、ミロ、茹で小豆、インスタントコーヒー、コカコーラ、チョコレート、ブルーベリージャム」だそうです。

ということは、現在海自には護衛艦が約五〇隻、さらに補給艦が何隻かありますから、少なくともその数のレシピがあるということになります。

......ただし、教育隊のカレーだけは例外で、未だにまずい料理の代名詞だとか。

一般公開される海自のお祭りでは、カレーを目的に立ち寄る人も、実際に数多くいます。それどころかカレー大会なるものも行われているということです。さらにさらに、カレーの味に惹かれて海自に入隊する者も実際にいるとか。すごいことになっています。

なんだかとっても楽しそうな海自ですが、この気風もやはり海軍からの伝統のようです。戦時中でも、上陸禁止命令を出した艦長が、自分だけ上陸して飯を食いに行き、戻ってきたら艦長室の前に大量の糞尿が置かれていた、なんて実話もあるくらいです。

また、海軍兵学校の教育方針も、「ジェントルマンを作るつもりで教育しました」と、当時の校長が戦後述べているとおりで、陸軍のようなガチガチの厳しい方針では無かったようです。大和魂などという精神論が好きで、好戦的だった陸軍に対して、どこか飄々としていた海軍は、戦時中でも国民に人気がありました。そしてその精神は、海自にもそのまま受け継がれているというわけです。

ただ、一応陸軍の擁護をしますと、そんな教育方針の違いは、陸軍と海軍の戦術の違いから仕方がないものであるとも言えます。

海軍(及び海上自衛隊)は、航空機を除くと船一隻を最小単位としますので、人間の数からしてみれば、集団戦術にあたります。しかし陸軍は、集団で戦闘に当たるとはいえ、実際に交戦している最中は、兵士各自が散開して攻撃を加える、ということになります。何故かと言えば、集団だと銃撃のマトになってしまうからです。(敵からの攻撃を盾で防いだ時代は、集団戦術でした。ギリシャの重装歩兵しかり、武田の騎馬隊しかり)

個人攻撃の戦闘は、上官の目が届かなくなることもあって、どうしても敵前逃亡が出やすくなります。これを阻止するためには、絶対命令を徹底的に叩き込むか、士気をあげるか、薬物でごまかすか、ということになってしまうのは、やむを得ないのです。

ちなみに陸上自衛隊は、陸軍との繋がりは完全に断絶したアメリカ式です。陸自もまた面白い所なのですが、これはまた別の機会に。

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  





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