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2016.03.03  あすなろ102 フクロウ(過去記事)

 2010.04号

私の家は、筑波山にかなり近いあたりです。
筑波山とは川を一本挟んでいるので、本当の麓(ふもと)とは言い切れませんが、
筑波山の登り口までクルマで五分とかからない場所ですので、
他の地域から見れば麓みたいなものです。

そういう場所ですから、生物相も筑波山に近いものがあります。
小学生が学校まで行くまでの通学路では、これからの季節は
ウグイスの合唱が毎日聞こえます。

そして今、わが家ではほぼ毎晩、フクロウの鳴き声が聞こえています。

ウチから聞こえるのは、和名「フクロウ」という種類のフクロウです。
......ややこしいかもしれませんが、そうなんだからしょうがないのです。

フクロウ目という鳥のグループがありまして、その中に「シマフクロウ」「アオバズク」
「コノハズク」などと共に「フクロウ」という種類があるのです。
ややこしいので、専門家や愛好家はこの種類のことを、英語名「ural owl」からとって
「ウラル」と呼んでいます。

102-1.png

で、そのウラルなのですが、鳥の図鑑を見ると、鳴き声は
「ゴロ助奉公」などと聞きなす(鳥の鳴き声を日本語にあてはめること)とのことです。
しかし、どう聞いても、

「ホホ―――――    ホッホホッホ」

としか聞こえないのですが、どうなっているのでしょうね、これ。

ところで、フクロウという鳥については、一般的には
どのくらい知られているものなのでしょうか。

分類的には、フクロウは猛禽にあたります。
猛禽とは、ワシ、タカ、トビなどの仲間です。
他の猛禽と同様に肉食です。
主に、ネズミやヘビなどの小動物を食べます。

さて、フクロウといえば、他の鳥に比べて頭でっかちなその姿でしょうが、
その形には、ちゃんと理由があります。

頭が大きいからか、よく物語では賢いだの物知りだのという役で登場するのですが、
本当は別にそういうわけではありません。
確かに脳は大きめですが、それは視覚情報と聴覚情報を高度に処理するためです。

ご存じの通り、フクロウは夜行性です。
夜間に森の中を飛んで動く標的を捕まえるために、
フクロウは視覚と聴覚を極度に発達させてきました。

例えば視覚です。
わずかな光でも物が見えるように、眼球の中には限界まで視細胞を詰め込みました。
それを極めるために、眼球を動かす筋肉のスペースまで無くして、
目玉を発達させました。
上のウラルの写真では、あまり目が大きいようには見えませんが、
実はその内部には、でっかい目玉が入っているのです。

眼球を動かす筋肉がないので、フクロウは目玉が動きません。
ですから、どこを見るにも首ごと動かします。
その可動領域は広く、首だけ回して真後ろを見ることも可能です。
また目は、左右で高さが少しずれています。

102-2.png

これに組み合わせて、耳の位置も左右で少しずれています。
外耳道の長さ(奥行き)も、左右で違っています。
これによって、上下左右前後の視覚・聴覚情報を、正確に分析することができます。

また、フクロウの顔は顔盤と呼ばれる短い羽毛で縁取られています。
これは、正面からの音を受けるための構造です。

以上のように、大きい眼球と、視覚聴覚情報を立体的に処理する脳を収めるために
頭蓋骨が大きくなり、その上で広い顔盤を持つています。
これが、フクロウの頭が大きく見える理由です。

本当は、この立体視をさらに正確にするために、狙いをつけるときにする
特有の顔の動かし方があります。
しかしこれ、なんつうのか、うまく説明できないんですよね。
いや、書けば書けるんですけど、字数がすごいことになりますので、やめておきます。
興味がありましたら直接私まで。

フクロウの特殊化した部分は、それだけではありません。

夜間、闇に紛れて獲物を襲うために、フクロウは飛んでも羽音がしません。
普通、道ばたに落ちているハトやカラスの羽は、硬くてつやつやしていると思います。
しかし、フクロウ羽は、風切り羽でも表面が毛布みたいにふわふわです。
これによって、風の音を打ち消して飛ぶことができます。

また、鳥の足の指は、通常は前三本と後ろ一本ですが、
フクロウの足の指は、前二本と後ろ二本に配置させて使っています。
獲物を包み込むように捕まえるためだと思われます。

そして獲物を捕まえると、フクロウはほとんどの場合、獲物を丸飲みします。

それは、次の獲物を捕らえるために動きを最小限にしたいのか、
危険な地上から早く脱出するためか、といった理由でしょう。
タカやハヤブサの場合は、そのまま獲物を掴んで飛び帰ります。
しかしフクロウの羽は特殊化しているので、それだけの飛行力がないのかもしれません。

そもそも、このように特殊化した生き物は、基本的には弱い立場にあります。
フクロウに関しては、同じ猛禽のタカなどとの競争に敗れた結果、
夜に逃げ込んだとも考えられます。

実際に、昼間のフクロウは、森の木にまぎれてじっと隠れています。
種類によっては、体を細くして木の枝のようになっています。

また、別の鳥がフクロウを見つけると、ギャンギャン騒ぎ立てて飛び回るのですが、
フクロウはその中でもじっと目を閉じて動きません。
素速く飛び回れる鳥ではないので、追い回しても意味がないとわかっているのでしょうね。

ちなみに、つくば市の鳥はフクロウです。
また、愛知県の鳥は、フクロウの仲間のコノハズクです。
自治体の鳥として、フクロウを指定している所は結構あるみたいです。

下妻市の鳥?
ないんですよこれが......

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  


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