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2017.09.02  あすなろ190 美しい?公式

2017.08号

マンガなどを読んでいると、時に「美しい公式」と称して登場する等式があります。
そのうちの一つに、「eのiπ(パイ)乗+1=0」というものがあります。(枠内①の式)
こんなもの、別に意味なんてわからなくてもいいんです。
が、だからといってそのまま放置するのももったいないので、
わかってくれなくてもいい覚悟で、一応の説明をします。

※ 読みたくない人は*までジャンプ

190-1.png
 
eとは「自然対数の底(てい)」です。
具体的には、③のように計算された数値です。

対数とは、②のような指数の逆関数のことで、logと表します。
対数の底とは、今回書いた②式ではaにあたる部分です。

対数を微分(説明略)すると、③のような式が現れます。
極限値を求めると、およそ2.7182818284590......であることがわかっていますが、
これをeとします。
eを底とする対数は微分が簡単になることから、
微分や積分の話ではeを底とした対数がよく使われます。
自然対数とは、このeを底とした対数のことです。

次に、iとは虚数のことです。
虚数とは④のように、二乗するとマイナス1になるという、
現実には有り得ない数を表す記号です。

π(パイ)は円周率です。
3.1415926......です。



というような、いかにも典型的な数学っぽい数値と、数の基本である1と0が
同時に、且つシンプルにまとまっているのが、最初にあげた①の式です。
それを指して、まあ美しいだのなんだのと言われているわけです。

巷では時々これを「オイラーの公式」などと書かれていますが、
それは厳密には間違いです。
⑤が、本当のオイラーの公式です。

※ 読みたくない人は**までジャンプ

まず、eのx乗をマクローリン展開(説明略)します。
それにx=ixを代入すると、
サインx・コサインxをマクローリン展開したものと同じような式が交互に登場します。
そこで、その三つを合わせたものが、⑤のオイラーの公式なのです。

......説明に疲れてきました。
数式無しで数式の説明をするのは少々無理がありますね。

ともかく、そんなオイラーの式に、x=π(パイ)を代入した式が⑥です。
その右辺を移項したものが①になるというわけです。

**

以上の説明の中で、マクローリン展開だけは高校では習いませんが、
それ以外は一応、高校数学の範囲内で理解できる内容です。
理系志望の方は楽しみですねー。
文系志望だとeは出てきません。
残念でした。

さて、この手のものでもう一つ、よく見かける等式があります。
アインシュタインの「E=mcの二乗」という式(⑦)です。

190-2.png

これもやはり、
式だけ書かれて意味の説明無し
ということが非常に多いようですので、ここで説明してみます。
こちらは、先ほどの式よりも簡単に終わるはずです。
多分。

Eは、エネルギーです。
単位はジュールです。
ジュールというのはですね、えーと、
1ニュートンの物体を1メートル動かすための仕事量なのですが、
えーと、1ジュールは1カロリーのおよそ4分の1です。

mは、質量です。
単位はキログラムです。

cは、光速です。
秒速約3億メートルです。

で、この式はなんなのか、なのですが。

端的に言うと、質量(物質の重さ)は、エネルギーに変わる、という式です。
逆に言うと、エネルギーは重さに変わる、という意味でもあります。

例えば、太陽はその表面で、水素をヘリウムに核融合しています。
その際、材料となる水素原子2個と、できあがったヘリウム原子を比べると、
その質量は0.7%減少しています。
減少した重さは、⑦の式によってエネルギーへと変わります。
それが、太陽が放出している熱や光なのです。
実際、太陽は一秒間に400万トン以上軽くなり続けています。

ごく身近な化学反応でも、エネルギーと質量は入れ替わっています。

水素と酸素が化合して水ができるときには熱が出ます
(試験管に線香を近づけるとポンと音を立てるアレ)が、
そこでできた水は、元の水素+酸素よりも軽くなっています。

つまり中学校で習う「質量保存の法則」は、本当は成り立っていません。
びっくり。

......ただし、その差はあまりにもわずかで、現実には測定不可能なレベルです。

一方、物体が持つエネルギーが増加すると、その分だけ質量は増えます。
やはりこちらも、普段目にする程度のエネルギーならば、測定できないレベルです。
しかし。

例えば宇宙船がどんどん加速していって、光速の50%で飛んでいるとすると、
その質量は元の1.16倍になっています。
これが光速の90%になると2.29倍になり、
光速の99.99999%では質量は2240倍になります。

質量が増えれば増えるほど、加速は困難になって、
最終的には加速不能となります。
これは、宇宙船が光の速度までは到達できない理由の一つとなっています。

ここで、原子の話をします。

原子とは、原子核の周りを電子が飛んでいるというアレですが、
その原子核の中には、陽子と中性子が入っています。
そしてその陽子には、
アップクオークという素粒子が二つ、ダウンクオークという素粒子が一つ
(中性子はアップクオーク×1とダウンクオーク×2)入っていて、
光速に近い速度で運動を続けています。

光速に近い速度が出ているということは、先ほどの宇宙船と同じことが
起こっているということです。
つまり、陽子や中性子の中のクオークは、止まっている時に比べて
何倍も重くなっています。

ここでもし、陽子に入っているこの三つのクオークだけを取り出して、
質量を計ることができたとします。
するとその重さは、陽子の重さの2%くらいになってしまうのだそうです。
ということは陽子の重さの98%が、つまり、目に見えるあらゆる物質の
重さのうちの98%は、クオークの運動エネルギーの重さなのです。

一方で光は、重さをもたない光子というエネルギーだけの粒でできています。
重さが無いので、光は光速で飛べるのです。

「E=mcの二乗」という式には、以上のような話が詰まっています。

学塾ヴィッセンブルク 朝倉  


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