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あすなろ180 衣類の名称:レギンス・スパッツ・セーター他(過去記事)

2018年3月17日投稿

 

 

 

2016.10号

 

中3生と、英語の話をしていたときのことです。

 


「一枚の紙はa piece of paperだし、ケーキ一切れはa piece of cake」

「ピースって、平和だと思った」

「それはスペルが違う。

ジグソーパズルなんかでピースって言うよね。

そのピースのこと。

かけら。

部品」


なんてことを話していたら、女性衣服のワンピースが何でワンピースというのかを知らなかったということが判明。

「つながっていてひとつの部品だからワンピース」

というと、なんかびっくりしております。

おや、今まで気付いてなかったんですか。

 

でも、案外そんなもんかもしれません。

 

私もつい最近、コインロッカーとかロッカールームのロッカーという言葉は、カギをかけるロック(lock)から来ているということに、初めて気付いたところです。

でも、かばんを置く棚のことをロッカーだと教わったのは何せ幼稚園の頃でしたので、無理もない話です。

というかあの教室の後ろの棚って奴は、フタすら無くて施錠(ロック)とは無縁の形状をしているくせに、よくもいけしゃあしゃあとロッカーなどと名乗れたものです。

 

話を戻しますと、ワンピースはともかく、ファッション関係の用語に関して言えば、次から次へと新語が登場しています。

新しい言葉の方がなんだかオシャレのような気がするという、しょうもない理由によって。

 

でも、ズボンがパンツになっても、ジーパンがデニムになっても、チョッキがベストになっても、モノは同じなんですよね。

だからといって、レギンスを股引(ももひき)と呼べ、というわけではありませんが。

 

今レギンスと言いましたが、少し前まではあれのことはスパッツと呼ばれていました。

厳密には、レギンスとスパッツは使い分けられているらしいのですが、少し前までは確かに全部スパッツでした。

 

しかしスパッツとは、元々は脚絆(きゃはん)のことです。

ゲートルとも言います。

ズボンの裾をまとめて歩きやすいようにしたり、靴に雨水が入らないようにしたりするためのカバーのことです。

登山用具でスパッツといえば、ブーツ上部に付けるカバーのことで、これがこの言葉の本来の姿です。

雪山などで使います。

私も持っていました。

 

 

一方、レギンスの方はといえば、元々は脚絆(きゃはん)のことです。

ゲートルとも言

 

……やっぱり同じなのでした。

 

なお諸外国では、レギンスleggingは日本と同じものを指しますが、スパッツspatsは本来の意味のものを指すようです。

 

 

さて、衣類の名称といえば、以前から不思議なのが「ジャンパー」です。

あ、ジャンーでもいいですよ別に。

私もそう呼んでいますから。

 

英語で書くとjumperです。

スキージャンパーと同じです。

しかし、jumperと画像検索すると、丸首のセーターが大量に引っかかります。

どうやら、諸外国ではこれがjumperと呼ばれているようです。

 

では、防寒の上着はというと、ジャケットjacketというようです。

だから、革ジャン・Gジャン・スタジャンなどという呼び名は、日本だけということになるわけですね。

 

ところが、ジャンパースーツjumpersuitと検索すると、今度は少し涼しげな上下つなぎ姿が現れます。

ジャンプスーツjumpsuitの方が確実です。

こちらはどうやら、パラシュートで降下する兵(空挺兵)を指すジャンパーjumperから来ているようです。

空挺兵がつなぎを着ていたので、つなぎ服のことをジャンパーと呼ぶようになったそうです。

 

ところで、先ほどjumperがセーターなんて話がありましたが、セーターは英語ではsweaterと書きます。

sweatは汗のことですから、sweaterは汗っかきのことです。

 

これはその名の通り、元々はスポーツ選手が汗をかいて減量する時に着た、というところから来ているようです。

 

セーターは、かつては寒い海で漁をする際に着用されたのが始まりで、イギリス海峡のガーンジー島とジャージー島が起源とされています。

また、その編み方をジャージー編みと呼び、そうやって編まれた布はジャージー布、その布でできた服はジャージーと呼ばれ……

つまり、ジャージって、セーターのことだったんですね。

 

でもジャージー編みなんてあったっけ、なんて思ったのですが、これはメリヤス編みのことなのだそうです。

 

あとですね、TシャツはT字型だからそう呼ぶのですが、ワイシャツはYとは関係ないって知ってました?

あれは、ホワイトの「ワイ」なのです。

だから英語でT-shirtはあっても、Y-shirtはありません。

英語では、単にshirtといえばワイシャツのことです。

 

シャツという言葉の由来は古ゲルマン語のskurtaz(短く切る)なんだそうですが、では短く切らない服はといえば、それはチュニックtunicのことです。

チュニックですよ。

 

今やチュニックといえば半端に長い女性用の上衣のことを指しますが、元々は古代ギリシャや古代ローマの服装であるトゥニカtunicaから来ています。

ですからGreek tunicやRoman tunicで画像検索すると、こんなのがいっぱい見られます。

 

 

しかし、これでは少々シンプルすぎて、ちょっと奴隷っぽいですよね。

もうちょっとおしゃれに高級感を演出するためにも、この上にトガtogaを着ることにしましょう。

 

 

うん。ステキですね。

これからは、チュニックにはトガを合わせて外出するようにしましょう。

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学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義