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HOME雑記帳(あすなろ)あすなろ82 虫博士2008夏(過去記事)
2008.08号
さて、今年も夏休みのいい季節がやってまいりました。
それに先だって、先日は子供が通う幼稚園に、虫に関するウンチクを垂れに行って参りました。
一時間近く話していたのですが、最後まで飽きた様子もなかったので、どうやら成功だったようです。
それはいいのですが、翌朝から、幼稚園バスが来てドアが開くと、乗っている園児がみんなして「むしはかせ~」と手を振ってくるようになってしまいました。
そこまでされると、次から何か用事があっても、幼稚園に行きにくくなってしまうでありますよ。
うむむ。
ともあれ、そんな原稿をせっかく作ったので、こちらでも披露致します。
実際には、100枚近くの画像と10種ほどの鳴き声の音声データを使いました。
また、用語や表現なども、当日はもっとずっと園児向けでした。
* * *
「むし」ってなんでしょう?
象や犬は、違いますよね。
スズメもメダカも違うと思います。
では、トカゲはどうでしょう?
カエルは?
ザリガニ、カニ、カタツムリ、ムカデ、ダンゴムシ、クモ、クワガタ、イモムシ……
どれとどれが虫でしょうか?
(画像を見せながら、トカゲ以下は園児に
「虫と思う人ー」「虫じゃないと思う人ー」
と手を挙げさせてみました。
クワガタ以外は、必ず両者に手が挙がりました)
まず、象や犬は、「どうぶつの仲間」です。
スズメはとりの仲間です。
メダカはさかなの仲間です。
さて、トカゲは、オトナの人達は「小さい動物」と言うことが多いでしょう。
しかし昔は「虫」とされていました。
ですから、虫と言っても虫じゃないと言っても、どちらも正解です。
(トカゲは漢字で「蜥蜴」→虫偏です)
以下、ザリガニも同じです。
虫でも虫じゃなくても正解です。
ザリガニとカニは同じ仲間ですね。
(蟹、蝦も「虫」ですね)
カタツムリは貝の仲間です。
仲間にナメクジがありますが、あれは貝殻の無くなった貝です。
種類によっては、カラが少し残ったナメクジ(コウラナメクジ)もあります。
また、貝とイカやタコは同じ仲間(軟体動物)です。
ムカデは、ゲジなどと共に「足の多い虫」の仲間です。
ダンゴムシは、エビの仲間です。
ヨコエビというエビがいまして、それに近い仲間です。
クモは、サソリと同じ仲間です。
そしてクワガタやイモムシは、昆虫の仲間です。
幼虫では足の多い(蝶の幼虫など)少ない(ハチの幼虫は無足)もありますが、親では足が六本であることが、まあわかりやすい特徴でしょう。
今日は、昆虫の話をします。
まず、カブトムシ、クワガタ、テントウムシ、カミキリ、ホタル、タマムシ、ゲンゴロウ……。
これらは、こうちゅう(甲虫)という、同じ仲間です。
次に、ハエ、カ、ガガンボ、ハナアブ……。
こちらも同じ仲間です。
ハナアブはハチに似ていますが、頭をよく見るとハエと同じ形をしています。
ハチにそっくりな模様でいることで、敵から身を守っています。
モンシロチョウ、アゲハチョウ、シジミチョウは、みんな蝶の仲間です。
また、蛾も蝶と同じ仲間です。
蛾といっても、きれいな羽の蛾もいます。
スズメガという、すばやく飛び回るかっこいい蛾もいます。
ミノムシも、ミノガという蛾の幼虫です。
ただし、雄は成虫になると蛾の形になりますが、雌はミノの中で一生を過ごします。
スズメバチ、ミツバチ、クマバチは、ハチの仲間です。
アリも、ハチの仲間です。
みんなで集まって巣を作るところはミツバチと同じですし、よく見ると体の形はアシナガバチによく似ています。
ハチのように針はありませんが、ハチの毒と同じようにアリも毒のようなものを出します。
大きいアリを捕まえると、酸っぱい匂い(蟻酸・HCOOH)を出します。
ハチの中には、クモを捕まえる種類もあります。
他に、バッタを捕まえる種類もあります。
カメムシは、カメムシの仲間です。
アメンボも、カメムシの仲間です。
アメンボも、捕まえると匂いを出します。
この匂いが飴の匂いだからアメンボと名付けられた、とも言われています。
アメンボは、水に落ちた虫の血(体液)を吸います。
前足は、虫を捕まえるための形をしています。
水に住むカメムシには、タガメという虫もいます。
魚やカエルを捕まえて、血を吸います。
セミは、カメムシに近い仲間です。
カメムシもセミも、木の汁を吸っています。
今の季節に鳴いているのは、ニイニイゼミという種類です。
7月の終わり頃まで鳴いています。
このあと登場するアブラゼミより、澄んだ声で鳴きます。
ヒグラシは、朝と夕方にだけ鳴きます。
鳴き声から、カナカナとも呼ばれています。
8月頃からは、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシが鳴きます。
バッタ、コオロギ、キリギリスは同じ仲間です。
カマドウマも同じ仲間です。
今の季節は、ヒメギスというのが昼間から鳴いています。
もう少し経つと、キリギリスが鳴き始めます。
やはり昼間に鳴きます。
ケラも、同じ仲間です。
モグラのように、地面の下に住んでいます。
コオロギの仲間ですので、地面の下で鳴きます。
その他、トンボの仲間があります。
ゴキブリは、カマキリにとても近い仲間です。
少し前までは同じ仲間とされていました。
ナナフシという虫もいます。
ゴキブリ、カマキリ、ナナフシは、バッタに少し近い仲間です。
アリジゴクは、ウスバカゲロウという虫の幼虫です。
成虫はトンボみたいな形ですが、トンボとは違う仲間です。
* * *
以上、完全に幼児向けに作った流れなのですが、話している途中に何度も、園児の後ろの方から「へえ~」と感心する先生の声が。
これ、お前ら向けじゃないぞ(笑)
学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義