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HOME雑記帳(あすなろ)あすなろ177 新生代(過去記事)
2016.07号
数ヶ月前から、いい加減に暗記してしまおうと思って携帯電話にメモしたまま、ちっとも覚えられない言葉があります。
「ぎょうしぜん ちゅうせん こうかん」
「暁始漸 中鮮 更完」
「古第三 新第三 第四」
これは何のことなのか……わかる方もいらっしゃるかもしれませんが、まあ普通は知る必要も無い余計な知識です。
これは、地球の歴史、というか生命史のうちの、新生代を詳しく分けた名称です。
中学の理科では、かろうじて「古生代・中生代・新生代」の三つまでは習うと思います。
しかし本当は、古生代のさらに前に、「先カンブリア時代」が存在します。
また古生代は、
「カンブリア紀・オルドビス紀・シルル紀・デボン紀・石炭紀・二畳紀」
に分類され、中生代は、
「三畳紀・ジュラ紀・白亜紀」
新生代は
「第三紀・第四紀」
に分けられています。
以上ここまでは、私は小学生か中学生の頃に覚えた知識です。単なる趣味です。
※今では二畳紀はペルム紀と書かれていることの方が多いようですが、当時はどの本も二畳紀でした。
私も、小学生とか中学生とか、そんな頃はこういうものを意味も無く暗記できたのですが、今はなかなか覚えられません。
我ながら、よくもこんな意味も無い言葉の羅列を覚えられたものだと思います。
ところで、ジュラシックパークのジュラシックとは、ジュラ紀のことです。
ですが、ティラノサウルスは白亜紀後期の恐竜ですので、本当はジュラシックじゃないんですよね。
ジュラシックというのなら、本当はアロサウルスを出すべきだと思うのですが、まあそれは置いておいて。
話を戻しますと、ともかくこのような時代区分の順序がわかると、どの頃にどんな生き物がいたのか、だいたいカンがつかめるようになります。
先のティラノサウルスとアロサウルスの話も同様です。
しかし、新生代は、恐竜の中生代に比べてどうしても魅力が少なかったために、気になりながらも覚えないままでいてしまいました。
その「宿題」を、今になってやろうとしているわけです。
これが正解。
左から右に進みます。
なお、私の子供の頃は、これとは別に沖積世とか洪積世とかいう呼び名があったはずなのにおかしいな……
と思って調べてみたら、今では洪積世は更新世に、沖積世は完新世に名称が入れ替わっているのだそうです。
さて、なぜ今頃になって新生代を覚えようとしているかというと、きっかけは「赤丸600ポイントの消しゴム」でした。
小学生の塾生は全員よく知っていると思いますが、当塾にはポイントをためると消しゴムなどと交換できるシステムがあります。
小学生は原則として、解いた問題数(赤マルの数)でポイントが与えられます。
その中に、スミロドンの頭骨の消しゴムがあります。
これは、サーベルタイガーと言われる、長大な犬歯を持つネコ科の動物の一種で、絶滅種です。
でもこいつって、新生代のいつ頃だっけ?と思って、ああこれはやっぱり時代名を覚えないと話にならないなあ、と痛感したのです。
この手の生物は、よく○○万年前とかいう書きも見かけますが、そんな数字は覚えてられません。
でも時代名ならば、数字よりも覚えやすいし理解しやすいのです。
スミロドンに関しては、鮮新世から更新世が正解だそうです。
そして猿人が鮮新世で、原人から新人にかけてが更新世なので、時代的には同じということになります。
ただ、人類はアフリカからユーラシア大陸を拡散していったのに対して、スミロドンはアメリカ大陸にいましたので、出会うことはなかったようです。
新生代は、恐竜が滅んだあとの時代ですので、お子ちゃまにはあまり人気がないのですが、その代わりに巨大な哺乳類や鳥類がいたこともありました。
新生代のちょっと有名どころを、時代別に書き出してみましょう。
この時代もなかなか魅力的だということがわかると思います。
ディアトリマ(恐鳥) 始新世
バシロサウルス(原始クジラ) 始新世
ブロントテリウム(角がアレな) 漸新世
バルキテリウム(陸生最大?) 漸新世
デスモスチルス(日本にいた) 中新世
メガロドン(巨大サメ) 鮮新世
メガテリウム(巨大ナマケモノ) 更新世
ケナガマンモスなど氷河期モノ 更新世
と、ご覧のように、みんな巨大です。
すげえ、こんなでっかいのいたのかよ、なんてつい絶滅生物の巨大っぷりにロマンを感じてしまいます。
が、
が、
実は、地球の歴史上で最大の動物は、
シロナガスクジラ
なのです。
あれ実は、どんな恐竜よりもでかい動物なんですよ。
なお、中学理科の問題でよく見かけるビカリア(巻き貝)は始新世から中新世で、ナウマンゾウは更新世だそうです。
また茨城県自然博物館の、館内に入ったすぐ正面左に展示されている松花江(しょうかこう)マンモスは、漸新世なのだそうです。
だから覚えないとね。
ぎょうしぜん……
学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義