2020年9月

あすなろ225 コロナコロナコロナ――!

あすなろ

 
 
 
2020.08号
 
今回は、コロナについて書きましょう。
 
まずは、コロナってご存じでしょうか。
 
おや?
知っていましたか。
なかなかの通ですね。
 
そうです。
コロナというのは、皆既日食の時に見られるこれのことです。
 



 
これの正体は、太陽の表面を覆っているガスです。
普段は太陽自体がまぶしいために見えませんが、皆既日食の時にはこうやって見ることができます。
 



 


 
ところで、太陽の表面温度は6000度だそうです。
しかしこのコロナは、1000000度とも2000000度とも言われています。
 


※「K」は温度の単位です。
厳密には「℃」とは273度ずれますが、このくらいの温度になってくると誤差の範囲です。


 
では、なぜコロナは、表面温度の100倍以上になってしまうのか。
 
 
 

――――それは、ナゾです。
 
 
 

……いや、マジで謎なんです。
現在の物理学では、まだ説明できていないんです。
 
なんと、普通に誰もが見られるものでも、今の科学では説明できないものがあったんですよ。
なんかすごいでしょ。
 
さて。
コロナと言えば実際には、こっちよりも別の場所、例えばホームセンターとか電器屋さんとかで見かけることの方が多いかと思います。
 
寒くなってくると……そう。
石油ストーブですよね。
 
石油ストーブの第一メーカーは、恐らくコロナでいいと思います。
次が、最近増えてきたトヨトミあたりでしょうか。
 
コロナといえば、石油ストーブ以外でも給湯器のエコキュートでも有名です。
我が家の灯油ボイラーもコロナ製で、エコキュートは……ウチのは入ってなかったかなあ。
 
エコキュートというのは、元々は関西電力が始めたシリーズ名なのですが、ヒートポンプの冷媒にフロンを使わずに二酸化炭素を使ったもので、これを最初に販売したのがコロナです。
 
ヒートポンプといえば、一時期ヤマハなどのメーカーがガスヒーポンに手を出しましたが、結局ほとんどが撤退しましたよね。
現在も販売しているメーカーはあるみたいですけど、家庭用は全滅で、業務用のみとなっています。
サイトのやる気の無さを見る限り、たぶんこれ、受注生産ですね。
東京ガスのサイトにはガスヒーポンのページが残っていますが、もう全く売れてないんじゃないかなあと思います。
 
話が逸れました。
 
ところで、コロナという社名の由来は、太陽のコロナのことだと思っていたのですが、公式サイトによればコロナ放電から取ったとのことです。
コロナ放電の青い光と、ガスコンロの青い炎からの連想だそうです。

 



 


 
コロナ放電という名前自体は、放電の様子が太陽のコロナに似ているからつけられたようです。
普通は、放電と言えば一方向ですからね。
静電気とか雷とか。
 
あ、コロナ放電をご存じないですか? では、別のサイトで説明してもらいましょう。
 


Qコロナ放電とは何ですか?
A 高周波・高電圧によって電極周囲の電界が強く振動することで、気体の分子が分離して発生したイオンと原子、そしてもともと気体中に存在した電子が加速して他の原子に衝突し、衝突された原子が分離して電子とイオンが増殖し続ける現象です。コロナ放電が起きている空間は音や光を発生し、この雰囲気中では化学変化が促進され、絶縁皮膜が破壊されます。周波数が高い程、短時間で絶縁破壊に至るので、コロナ放電を起さないよう設計し、製造検査では必ずコロナ放電試験をする事が最善策となります。


 
読みました?
ぼくは読んでませんけど。
 
ついでに、こんなのもご紹介します。
ほとんどの人には縁が無いでしょうが、私にとっては見慣れている現象で、初めて知ってへえーと思ったので。
NGKのサイトより。
 



 
また、コロナ放電を利用したコロナ処理というものもあります。
 
これは、プラスチックフィルムや紙、金属箔の表面にコロナ放電を照射することで、表面にミクロン単位の凹凸を作ることです。
これによって、表面の親水性(ぬれ性)を向上させて、液体をはじかないようにさせます。
 
この処理によってインクや接着剤の乗りが良くなるので、印刷、コーティング、接着の前処理として利用されているようです。
 
あと、コロナといえば、もう一つお世話になっている会社があります。
テルスターというブランドの監視カメラを作っている、コロナ電業株式会社です。
 



 
塾で使っているカメラがこれです。
怪しい海外製は使いたくなかったので、国内メーカーのものを選んだらこれになりました。
 
この会社が、どういう由来でコロナを社名にしたのか知りたかったのですが、公式サイトには何も書いてありませんでしたので、残念ながら不明です。
 
あ、サイエンス用語としてのコロナがもう一つあるのを忘れていました。
金星の表面にある盛り上がった地形です。
 



 
これは、金星の地下にあるマントルが、地表を押し上げてできた地形だと言われています。
 



 
ちなみに、コロナcoronaという言葉自体は、ギリシャ語の「冠」から来ているようです。
英語のcrownとは、おそらく語源的には同じだろうと思います。
 
そしてコロナと言えば、トヨタで作っていた車種がありますよね。
確か、トヨタが戦後に、最初に作った「小型車」がコロナじゃなかったでしたっけ。
中型車クラウン→小型車コロナ→大衆車パブリカという順だったと思いました。
 


上:パブリカ初期型後期
下:パブリカスポーツ800(通称ヨタハチ)


 
今調べましたら、コロナの初期モデルは1957年に登場したようです。
 


コロナ初期型ST10


 
その後、コロナはマークⅡという派生モデルも併用しながら何十年も販売を続けたのですが、最終的にはコロナは2001年にプレミオに代わって終了しました。
 
派生モデルのコロナマークⅡは、1968年に登場しましたが、1984年モデルからはコロナが抜けて、単なるマークⅡと名称変更されています。
さらに、後継となるマークXが2004に登場した際にマークⅡの名称が消滅しましたが、そのマークXの方も、2019年で生産終了したようです。
 
長々と書きましたが、今でもトヨタがコロナを作っていたら……なんて思うのです。
 
ISって覚えていますか?
一時期、イスラムの「新興国」を自称して、周辺地域に戦争をふっかけまくっていた組織のことです。
 
あれ、最初はアイシスISISという名前で報道されていたんですよね。
ですが、途中からアイエスISに一斉に変わっています。
 
なんでだと思いますか?
 
私も真相を知っているわけではありませんが、恐らくトヨタが待ったをかけたんじゃないかと推測しています。
というのも、トヨタにアイシスというクルマがあるからです。
 
ですから、トヨタが今でもコロナを作っていれば、今頃は例のウイルスも別の名前で呼ばれていて、コロナコロナという風評被害は無かったんじゃ無いかなあと、残念で仕方ありません。
 
私が塾のブログを書く時も、例のウイルスについては、基本的には「コロナ」という名称を使わないようにしています。
普段の会話でも、恐らく滅多に、「コロナ」とは口にしていないはずです。
コロナという会社のことが、最初からずっと頭にあるからです。
 
ちなみに、メキシコ製のビールであるコロナ・エキストラ、通称コロナビールは、風評被害のためにアメリカで売れなくなってしまいました。
そして現在は、政府からの要請によって、生産を中止しているようです。
 
学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義