お問い合わせ0296-43-2615
HOME雑記帳(あすなろ)あすなろ77 星占い(笑)(過去記事再掲)
2008.03号
冥王星くんのことを、覚えていますか?
2006年の夏ごろ、太陽系の惑星の定義が新たに決まり、冥王星は惑星から外れることが決定しました。
そのあたりの詳しいいきさつや定義の話は、私も当時、あすなろ60(2006.10)号に書いたものです。
さて、そういうわけで、その後どうなったのか、大変興味のある分野があります。
そう。
星占い(笑)です。
昔ながらの星占いは、例のおひつじ・おうし・ふたご......の十二星座のアレ(順番に全部言えますか?)ですよね。
そうやって、黄道十二宮をあてはめてやっているだけだったら良かったものを、ここ10年くらいは、いろいろと変な物がはびこっているようです。
例えば、へびつかい座が黄道にかかっているから、これが十三番目の星座だと言っている人達がいます。
アハハハハー。
チョー受ケルンデスケドー。
別に何を言い出しても結構ですが、高校生の頃に天文気象部の部長を一年半務めた優しい僕が、少し教えてあげます。
黄道十二宮というのは、太陽の通り道(黄道)に位置する星座を選び出した物です。
というよりも、黄道を十二に分割したのがそもそもの由来です。
もちろんこの十二という数字は、十二ヶ月から来ています。
これが、西洋占星術の「元ネタ」です。
私は個人的に、十二種類の動物があてはめられている十二支と同じようなものだろうと思っています。
これと似たような言葉に、黄道十二星座というものがあります。
これは1世紀のころ、プトレマイオスという科学者が書いた、天文学の専門書に提唱されたものです。
こちらは、本来は天体観測するための目安です。
夏の大三角や春の大曲線みたいなものです。
まずはこれだけ知っていれば、天球上のだいたいの配置を掴みやすい、という程度の物です。
ところで、地球から見える星は、星座で結ばれたもの以外にもたくさんあります。
結ばれていなくても、おひつじ座の中にある星は「おひつじ座の星」と表現できます。
しかし、おひつじ座とおうし座の中間にある星は、どういったらいいのでしょう。
天球上の全ての星を、どのあたりにあるかということを表現、定義するために、天文学では代表的な星座を88個指定し、その形に合わせて天空を区切っています。
これによって、地球から見える全ての天体が、必ずどこかの星座の領域に所属するようにしてあるわけです。
例えば、先ほどのおひつじ座とおうし座の間の星も、この線から右側だからおひつじ座の星、と定めることができるようになります。
こうして天球を区切っていった結果、さそり座のすぐ上の星は、へびつかい座の所属となりました。
さそり座に関しては、さらに言えば、さそりの腕の先端(はさみ)に見える部分は、両方ともてんびん座の領域に入っています。
しかしこれも、学術的な定義でありますので、そう割り切ることにしましょう。
という線をお空に引いていったら、へびつかい座の領域が下にはみ出て、黄道がその上を通るようになった、というだけのことです。
これは学術的な、あくまで便宜上の物ですから、占いとは一切関係ありません。
先に書いたとおり、そもそも十二星座と十二宮は別物ですし。
ゴジラという怪獣があります。
ご存じの通り、東宝の映画です。
1954年に、反核映画として登場しました。
ゴジラの語源は、ゴリラとクジラを合わせたものです。
それを外国で放映するとき、発音が日本語の「ゴジラ」に近くなるようにと、Godzillaというスペルが与えられました。
すると、それを見た西洋人で、すっかり感化されてしまった人達の中には、
「GodzillaにはGodが入っている。つまりこれは、神の使いを暗示しているのだ!」
などと真面目に言い出す輩が現れるわけです。(実話)
――へびつかい座を入れて「十三星座」とか言っている人は、天体観測をしている側から見れば、このゴジラの中に神が見える人と、ほぼ同じようなレベルです。
OK?
さて、長い前置きになりましたが、最近は惑星までもが、占いのネタとしてさんざんいじられているのはご存じの通り。
土星人とか火星人とか、何を言っているのかさっぱり意味がわかりません。
そういう中に、もちろん冥王星も入っております。
入っているのですが、それ自身が惑星という定義から外れてしまってさあ大変。
という混乱が起こった後、今はどうなっているのか、あちこちを覗いてみました。
......あったあった。
えーと?
それによる影響はほとんどないと思われます。その理由は以下のとおり。
1.冥王星がなくなるわけではない。(略)
2.冥王星の意味ははっきりしていなかった。
例えば、水星は仕事運に、金星は金銭運に、火星は恋愛運に影響を与えるといった、
大まかな意味が定まっているわけですが、冥王星についてはそれが定まっていません。
(略)
あえてあげるとすれば、「死後の世界」のことについてなど。(後略)
弁解に必死ですね。
別サイトでも、
占星学における冥王星の基本的な意味は、死と再生というものがあることから、
世間から消えてなくなるという意味での死という認識がなされたのではないかなど、
今回の定義のいきさつは、占星学上、いろいろ興味深い現象はおきているのは確かです。
「冥王(Pluto:冥府の王)」だから「死」ですかそうですかべんきょうになるなあ。
この星にその名前をあてたのは、たまたまだと思いますよ。
当初はクロノスとかミネルヴァとか、ギリシャ神話の他の神の名前が候補に挙がっていましたから。
Plutoを最初に提案したのは、イギリスの当時11歳の少女です。
世間的にも好評だったので、これに決定することにしました。
子供の提案を好意的に受け入れるという現象は、洋の東西を問わないようです。
さらに付け加えると、Plutoの略称PLは、冥王星の存在を予言した天文学者のイニシャルと同じになることも決定材料だったそうです。
というわけで、命名者は死とかなんとかは一切考えておりません。
当たり前ですけどね。
で?
占星学の?
冥王星の意味が何でしたっけ?(笑)
というか、そんなので占星「学」って、中世ならともかくこの時代に、ちょっと矜持が過ぎるって思いませんか?(婉曲表現)
そうそう。
星占いといえば、もっとすごいものも見つけてしまいました。
なんと、十二支に星座をあてているのです。
丑年がおうし座、巳年がへび座、辰年がりゅう座......というあたりまではいいとしても、
寅年がやまねこ座
未年がやぎ座
亥年がおおぐま座
子年がこぐま座
酉年がわし座
ってあんた。
極めつけは、申年がヘラクレス座......。
おい笑わすなコーヒーがこぼれる
だめですついていけませんごめんなさい
学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義