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HOME雑記帳(あすなろ)あすなろ183 おすすめクラシック(過去記事)
2017.01号
年末ですね。
サンタさんって、いつまで来るのでしょうか?
何年か前、我が家がサンタさんに問い合わせたところ、
「プレゼントをもらえるのは6年生まで」
とお返事をいただきました。
6年生までなのだそうです。
ご存じでしたか。
知らなかったらよーく覚えておきましょう。
サンタなんて人はいない?
いやいやいや何言ってるんですか。
確かにいますって。
だって、数年前のクリスマスには、夜中に私の眼鏡を踏みつぶしていきましたから。
マジですこれ。
翌日修理に持って行った眼鏡屋さんが証人です。
ほんと思わぬ出費ですよ。
全くひどいサンタもいたものです。
年末といえば、どういうわけなのかベートーベン交響曲第九番「合唱付き」がよく演奏されます。
これは戦後始まった日本独特の風習で、特に深い意味はないようです。
ベートーベン九番と言えば、例の歌の部分ばっかりが有名なのですが、実際に歌が入るのは、最後の第4楽章Bだけです。
(九番の楽章は1・2・3・4A・4Bの5つと呼ぶのが最近の流行のようです 4Bとはつまり第五楽章のことです)
歌の人たちは、それまで出番無しです。
だからといって、楽章間に入って行くにはコーラスの人たちは多すぎると思うんですよね。
となると、やっぱり一番初めから後ろに並んでいるのでしょうか。
このあたり、ちゃんと見たことがないので知らないんですよ。
ちなみに、今手許にあるカラヤン指揮の九番では、最初から4Aが終わるまで、49分もかかっています。
全曲が終わるまでは1時間7分です。
コーラスはともかく、指揮者は大変ですねこれ。
改めてすごい曲ですわ。
あとですね、あれの4Aって、実は4Bの前半とほぼ同じ曲なんですよ。
ちょうど、4Bの歌無しバージョンみたいな感じの曲なのです。
となると、後ろに立っているコーラスさん達は、その4Bを聞いている間は、やっぱり頭の中で歌いながら予行演習とかしちゃったりしているのでしょうか。
……なんてことを、九番を聞く度に思っています。
なんだか偉そうに文句ばっかりつけているようですが、九番はいい曲であることは間違いありません。
私はベートーベンの交響曲が好きで、よくクルマの中で聞いております。
各曲は、だいたいこんなイメージです。
※ 私見です。私は専門家ではありません。
一番……なんかモーツァルトみたい。
二番……ちょっと色々試しちゃおうかな。
三番四番……型を破ってやるぜ。どや?
六番……ストーリー仕立てにしてみちゃったり。楽章をつなげてみちゃったり。
五番(六番と同時作曲)……こっちは純粋に音楽の究極を目指す。俺らしさを探す。
七番八番……見つけたぜ俺スタイル!
九番……やりたいこと全部詰め込んだる。今度はノリじゃない。大人の曲だ。
――機会があったら、他の曲もぜひ聴いてみてください。
最初に手をだすなら、有名な五番以外では、六番や七番あたりがお勧めです。
六番「田園」は、各楽章に副題がついていますので、音に対してイメージを連想しやすくて入りやすいでしょう。
この六番は中学生の頃、何回聞いたかわかりません。
そして七番は、全楽章がノリノリでかっこよくて隙が無い曲です。
指揮者では、まずはカラヤンやバーンスタインあたりのスタンダードなテンポを聞き込むのがいいと思います。
で、歌えるくらいに覚えてきた頃にラトルを聞いて、その挑戦的な曲調に感激する、などという、クラシックならではの楽しみ方もあります。
ところで、日本人が好きなクラシックというものがあるみたいです。
ベートーベン第五番「運命」、シューベルト「未完成」、ドヴォルザーク「新世界より」の3曲の2曲が入っていれば、そのコンサートは成功するとか、小学生の頃に聞いたことがあります。
ベートーベン以外ならば、このあたりはとりあえず押さえておくべき曲でしょう。
特に「新世界より」は、知っているメロディが入っていますので、聞きやすいと思います。
(よく「新世界」と書かれている文を見ますが、あれはFrom the New Worldですので「新世界より」が正解です)
また、聞きやすいクラシックといえば、モーツァルトは絶対に外せません。
ほとんどの曲が、軽くあっさり聞けてしまうために、よく「リラックス」だの「胎教」だの「アルファ波」という副題をつけて安いCDが売られちゃったりしますが、モーツァルトならばリラックスというイメージは、ちょっと違うんじゃないかと思います。
交響曲第25番の第1楽章とか40番の第4楽章を聞いてリラックスとか言う奴がいたら、そいつはきっと頭おかしいでしょう。
なお、モーツァルトは壮絶な人生を送っています。
是非一度、伝記を読んでみてください。
二度とリラックスなんて言えなくなると思います。
また、どこかのサイトでは「モーツァルトはアルファ波に合う曲を発見した最初の作曲家」なんてアホな記事を読んだことがありますが、彼は当時単に、売れる曲というものを研究し尽くして作っただけです。
とこんなふうに、私は交響曲が好きなのですが、それ以外では室内管弦楽やワルツあたりも好きです。
室内管弦楽というのは正式な音楽ジャンルの名前ではなくて、小規模なオーケストラのことです。
ヴィヴァルディの「四季」とかモーツァルトの「アイネクライネナハトムジーク」のような、バイオリン中心の曲の数々です。
「ツィゴイネルワイゼン」という速弾きで有名な曲は、高校生の頃にハマりました。
マンガなどでバイオリンの独奏というシーンが出てくると、頭の中を流れるのは「タイースの瞑想曲」です。
ベートーベンの「ロマンス」2曲は、もう何回聞いたのかわかりませんが、未だに曲が終わったときに繰り返しのボタンを押すことがあります。
同じく高校生の頃、バレエ音楽の「くるみ割り人形」にも超ハマりました。
当時、家にあったカセットテープは、あんまり聞き込んだので、最後は端の方がシワシワになってしまったほどです。
バレエ音楽は、短めの曲であるために、やはり手を出しやすいと思います。
特にくるみ割り人形は、ほとんどの曲が2~3分で、しかも聞いたことがある曲が何曲かあるはずですので、きっと気に入ること請け合いです。
私の車内ではクラシックを流していることが多いのですが、幼稚園の頃の娘が最初に気に入ったのは、このくるみ割り人形でした。
小曲集では、やはり高校生の頃に、「ハンガリー舞曲(ブラームス)」にも超ハマりました。
全21曲あるのですが、こちらも各曲は1~2分しかありません。
そして、多分全曲が、途中でテンポが変わります。
この短い演奏時間の中で、速くなったり遅くなったりします。
しかも全体的にノリがとてもいいので、運転中の音楽としても優秀だと信じています。
同様のもので、「スラブ舞曲(ドボルザーク)」というものもあります。
また、バレエ音楽には必ずワルツが入っているところから、ワルツにも興味を持って手を出しました。
ワルツ王と呼ばれるヨハン・シュトラウスの曲は、大学生の頃に結構集めました。
いやあ、もう最高ですよシュトラウス。
クラシックの良いところは、何年聞いても古くならないことです。
一生つきあえます。
流行はありませんので、違う世代とも話が合います。
ご一緒にいかがでしょうか。
学塾ヴィッセンブルク 朝倉智義